焚き火の着火で必要な「フェザースティック」。
フェザースティックを自在に作ることが出来れば、スマートに焚き火の火おこしを出来るようになりますよ。
今回はフェザースティックの作り方を解説していきます。
フェザースティックの作り方をマスターしてもっと焚き火を楽しんでいきましょう!
- フェザースティックの作り方を知りたい
- フェザースティックに適したナイフを探している
フェザースティックとは
フェザースティックとは、ナイフで枝や薪を細く薄く削った木材のことで、着火剤の代わりに使うことが出来ます。
見た目が羽毛のように見えるため、フェザースティック(羽毛の棒)と呼ばれるんですね。
フェザースティックを作れば、焚き火の火をおこしやすくなるので、別途着火剤も不要です。
ティンダーフェザーとキンドリングフェザーの2種類ある
フェザースティックは、「ティンダーフェザー」と「キンドリングフェザー」の2種類あります。
ティンダーフェザーは、着火に使うフェザースティックのことです。
着火しやすいよう木を薄く削るため、切れ味の良いナイフで丁寧に毛羽立たせる必要があります。
一方キンドリングフェザーは、火を大きくするためのフェザースティックのことです。
ティンダーフェザーに比べ削る木は厚めで、ある程度おおざっぱに削っても問題ありません。
フェザースティック作成時の注意点
基本的に針葉樹で行う
フェザースティックは針葉樹で行うのが基本。
針葉樹のほうが削りやすく、また油分を多く含んでおり着火もしやすいためです。
木は「針葉樹」と「広葉樹」に分類され、スギやヒノキ、マツといった木が針葉樹に分類されます。
広葉樹でも出来ないことは無いですが、針葉樹があれば針葉樹を選んで行ってくださいね。
グローブを着用する
ナイフを扱うときは基本的にグローブを着用するようにしてください。
フェザースティックでケガをする可能性は低いと思いますが、万が一がありますので安全に楽しみながら行いましょう。
楽しい焚き火が、怪我によって台無しになってしまうのは悲しいです。
フェザースティック作りの手順
早速フェザースティックを作っていきますが、今回は一般的なフェザースティック、キンドリングフェザーを作っていきます。
フェザースティック完成まで、大きく5ステップあります。
フェザースティック作りに必要な以下の道具を用意します。
- ナイフ
- グローブ
- 土台の木
ナイフでフェザースティックを作るとき、木の上に置いてやるようにしましょう。
木の上でやらないと、ナイフが滑った場合、地面に刃部分が当たって欠けてしまうことがあります。
削る木を持って空中でやる方法もありますが、慣れないうちは必ず木の上でやるようにしてくださいね。
ナイフの刃を削る木の側面(角部分)に合わせることを意識し、削っていきましょう。
力を入れすぎず、ナイフの重さ+軽い力ぐらいで削っていく方が上手く出来ると思います。
注意点として、削ったときは最後まで削らないように注意してください。
最後まで削ってしまうと、フェザー部分が切り落とされてしまうので、最後1~2cmほど残したところで止めるようにしましょう。
最初の1削り目を厚めに削ることによって、2削り目以降は1削り目より前で止まるようになりますよ。
一つの角、面をある程度削ったら、木を回して他の角、面を削っていきます。
また時々削ったあとに、ナイフを立ててさらに毛羽立たせるようにしましょう。
ナイフを立てることで、削った部分がより毛羽立った感じになって、出来上がりがきれいになります。
STEP3とSTEP4を繰り返していくと完成です。
最初は上手く削れないと思いますが、何回かやると、力の入れ具合など感覚が掴めてきます。
フェザースティックは割りばしで練習できる
フェザースティックを早く上手く作りたい、そんな方は割りばしでの練習がおススメです。
割りばしは杉の木で作られていることが多く、削りやすいです。
家の中でも練習できるため、割りばしでたくさん練習して上達しましょう。
なお、割りばしは細いため、キンドリングフェザーよりはティンダーフェザーの練習が適しています。
力の入れ加減、刃の角度など、削るたびに上達していくので、繰り返し練習してくださいね。
100均で売っている焚き付け材もおススメ
キンドリングフェザーの練習は100均の焚き付け材がおススメです。
ある程度太さがある角材なので、割りばしに比べて削りやすくなっています。
フェザースティック作りで大事なのは「ナイフの切れ味」
キレイなフェザースティックを作るために大事なのは「ナイフの切れ味」です。
ナイフの切れ味が悪いと、木が上手く削れず細かなフェザーが出来ません。
フェザースティックを作る前は、ここで紹介する2つのアイテムを使ってしっかりナイフをメンテナンスしましょう。
砥石(といし)
ナイフの切れ味が落ちてきたとき、砥石(といし)を使って切れ味を復活させましょう。
おすすめの砥石は、「シャプトン 刃の黒幕 オレンジ」です。
シャプトン 刃の黒幕 オレンジは#1000番の中研ぎ砥石で、一番汎用的に使うことが出来ますよ。
ナイフ以外に包丁やハサミなども砥げるので、1つ持っていると役立つ機会は多いです。
皮砥(かわと)
皮砥(かわと)はナイフを革で砥ぐためのアイテムで、基本的にはナイフの仕上げで使われます。
(革砥でナイフを研ぐことを「ストロッピング」と言います)
ストロッピングを行うと、ものすごくシャープな切れ味になり、フェザースティックが格段にやり易くなりますよ。
おススメの革砥は「ブッシュクラフト オールサイドパドルストロップ」です。
ブッシュクラフトの皮砥は価格が少し高いですが、カッコいい、4面使える、ストロークが長いなど良いところが詰まっているので、是非使ってほしい逸品です。
オールサイドパドルストロップは以下記事でレビューしています。
フェザースティックに適したナイフの選び方
フェザースティックに適したナイフを見ていきましょう。
「コンベックスグラインド」がやり易い
フェザースティックを作るにあたり、重要なのは刃のエッジです。
フェザースティックに適した刃は「コンベックスグラインド」と言われていますが、個人の好みや技術に依存するところも大きいでしょう。
理論的に言えば、木に対して刃がフラットに当たる「スカンジグランド」の方が薄く削れるため、あまり気にせず好きなナイフを選んで問題ないと思います。
何度かやっているうちに、ナイフにあった削り方が見つかりますし、気に食わなかったら砥石でエッジの角度を変えることも可能です。
刃のエッジについては、以下euro kitchenさんの図が非常に分かりやすいです。
刃の形状的にコンベックスグラインドが一番頑丈で、次にスカンジグラインドが続きます。
切れ味を求めるなら「カーボン製」
フェザースティックは木を削って毛羽立たせるので、切れ味の良いナイフが良いです。
ナイフの刃部分は主に「ステンレス製」と「カーボン製」の2つあり、「カーボン製」の方が切れ味が良いため、薄いフェザーを作りたい方はカーボン製を選ぶのがおススメ。
ただカーボン製は錆びやすく定期的なメンテナンスが必要なため、ズボラな方はステンレス製を選んでくださいね。
(個人的な感想ですが、ちゃんと砥げばステンレスもカーボンもほぼ差は無い印象です)
重さがあるナイフの方が作りやすい
個人的な感覚もあるかもしれませんが、フェザースティックは重さがあるナイフの方が作りやすいです。
ナイフが重い方が削る力も少なく、少しの力を加えるだけでスッと木が削れますよ。
フェザースティック作りに適したナイフ4選
最後にフェザースティックに適したナイフを紹介していきます。
モーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティー
全長 | 22.4cm |
持ち手の長さ | 12.0cm |
刃部分の長さ | 10.4cm |
刃の厚さ | 3.2mm |
重量 | ナイフ:101g |
構造 | ハーフタング |
刃の形状 | スカンジグラインド |
持ち手の材質 | ラバー |
刃の材質 | カーボンスチール |
コスパ抜群!カーボン製で切れ味が良くフェザースティックもやり易いナイフ
モーラナイフは創業130年を誇るスウェーデンを代表するナイフブランドで、日本でも人気ですよね。
そんなモーラナイフが作るコンパニオン ヘビーデューティーは、コスパ抜群で日本で最も売れているナイフだと思います。
カーボンスチール製で切れ味も良く、スカンジグラインドのエッジでフェザースティックも捗ります。
最初にナイフを購入するなら、このモーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティーがおススメですね。
バークリバー ブラボー1
全長 | 23.0cm |
持ち手の長さ | 11.5cm |
刃部分の長さ | 10.7cm |
刃の厚さ | 5.5mm |
重量 | 209g |
構造 | フルタング |
刃の形状 | コンベックスグラインド |
持ち手の材質 | マルカイタ |
刃の材質 | CPM3V鋼 HRC 58-59 |
アメリカ初のナイフメーカー「バークリバー」の代表モデル
バークリバーはアメリカのミシガン州に拠点を置くナイフメーカーです。
丈夫でハードな使用に耐えられるよう設計されたナイフは、バトニングにもピッタリですね。
またすべてのナイフに生涯補償が付けられており、刃の欠けや持ち手の割れなども補償対象になります。
そんなバークリバーを代表するナイフがブラボー1です。
刃厚が5.5mmのコンベックスグラインドで、どんな薪も安心してバトニングすることが出来ます。
刃厚はあるが重さは控えめなので、取り回しもよく使いやすく考えられているナイフですね。
刃の材質CPM3V鋼は、耐靱性や耐摩耗性、耐食性に優れており、頑丈で刃持ちが良い高級な鋼材です。
価格は少し高めですが、補償もあり一生もののナイフになること間違いなしなので、買って後悔はないと思いますよ。
ヘレナイフ テマガミ
全長 | 23.0cm |
持ち手の長さ | 12.0cm |
刃部分の長さ | 11.0cm |
刃の厚さ | 3.0mm |
重量 | ナイフ:155g |
構造 | ハーフフルタング |
刃の形状 | スカンジグラインド |
持ち手の材質 | カーリーバーチ |
刃の材質 | カーボンスチール or ステンレス |
人気のヘレナイフ!軽量で扱いやすいハーフフルタング構造
ヘレナイフは1932年にノルウェーで生まれたブランドで、品質と伝統、クラフトマンシップを大切にしながら、45もの工程を経て熟練エが1本1本丁寧に仕上げています。
そんなヘレナイフが作り出すナイフがテマガミです。
テマガミはハーフフルタング構造で頑丈さも備えつつ、3mmという厚すぎない刃厚にすることで、軽量で扱いやすいナイフに仕上がっています。
刃の素材はカーボンとステンレスを選ぶことが出来ますが、フェザースティックには切れ味が良いカーボンを選ぶのが良いでしょう。
手の小さい男性や女性の方には、扱いやすいテマガミがおススメです。
クードマン 158-L
全長 | 23.5cm |
持ち手の長さ | 11.5cm |
刃部分の長さ | 12.0cm |
刃の厚さ | 4.5mm |
重量 | ナイフ:259g シース:115g |
構造 | フルタング |
刃の形状 | スカンジグラインド |
持ち手の材質 | オリーブ |
刃の材質 | ステンレス(モリブデンバナジウム) |
刃厚4.5mmの重厚感。バトニングに最適な存在感のあるナイフ
クードマンは象のロゴがトレードマークのスペインのブランドです。
クードマンは常に最新の鋼材、ハンドルを使用して最新の技術を取り入れながら、熟練の技術工が制作しています。
このクードマンの158-Lは最高峰のモデルで、バイキングの西村さんも愛用されているナイフでも有名ですよね。
刃は硬くて耐久性のあるモリブデンバナジウムを使用し、錆にも強いことから医療用のメスにも採用されている素材です。
刃の厚さは4.5mmとかなり厚いためバトニングに最適で、重量があるためフェザースティックも作りやすいですよ。
この158-Lはシースもカッコいいので、シースにもこだわりたい方にもおススメです。
クードマン 158については、以下記事でレビューしています。良かったら見てね!
フェザースティックのまとめ
今回はフェザースティックについて紹介しました。
フェザースティックが作れるようになると、着火がスムーズに行えるようになり、さらに焚き火が楽しくなります。
ぜひマスターして楽しい焚き火ライフを過ごしてくださいね!
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